病児保育を利用することになったとき、
「何を持っていけばいいんだろう?」
と迷う方も多いのではないでしょうか。
着替え、タオル、飲み物、食事、薬……。
必要な持ち物は施設によって違うため、まずは利用する病児保育施設の案内を確認することが大切です。
そのうえで、14年間、病児保育の現場で子どもたちをお預かりしてきた私が「助かったな」と感じていたのは、特別な便利グッズだけではありませんでした。
保育士がその子のことを知りやすく、安心してお世話するための準備や情報が、とてもありがたかったのです。
今回は、元病児保育主任の視点から、実際の現場で助かったことを紹介します。
病児保育では「その子のいつも」が分かると助かります
病児保育に来る子どもたちは、初めて利用する子も少なくありません。
保育士は受け入れ時に、
・どんな症状があるのか
・昨夜は眠れていたか
・朝は何を食べたか
・水分はとれているか
・薬は何を飲んでいるか
・普段はどんな生活をしているか
などを確認します。
もちろん必要なことはこちらからもお聞きします。
でも、病児保育を利用する朝は、保護者の方も子どもの準備や仕事のことで慌ただしい時間です。
そんな中でも、持ち物や連絡帳などを通して「この子は普段こうしています」と分かることは、その後の保育にとても役立ちました。
着替えは一回分にまとめてあると助かります
病児保育でありがたかったのが、着替えを一回分ずつまとめて準備してくださっていることでした。
例えば、ジップロックなどの中身が見える袋に、
「着替え」
「パジャマ」
などと書いて、一式をまとめて入れておく方法です。
初めて利用するお子さんの場合、
「これはパジャマかな?」
「これは着替えかな?」
と迷うこともあります。
一回分がまとまっていて、何が入っているのか分かるようになっていると、必要な時にすぐ準備することができ、とても助かりました。
着替えをまとめる袋は、普段のお出かけや旅行でも使いやすいものを準備しておくと、病児保育を利用するときにも慌てずに済みます。
季節の変わり目は調整できる服があると安心
春や秋など、服装に迷う季節は、半袖と長袖の両方を入れていただけると助かることがありました。
病児保育室の室温や空調によっても違いますし、発熱している子は暑がることもあれば、寒気を感じることもあります。
特に大きなお子さんでは、熱が上がる時に悪寒が出ることもあります。
調整できる服が一枚あるだけで、その時の子どもの状態に合わせやすくなります。
薬は「誰のものか」「いつ飲むものか」が分かると助かります
薬については、施設によって預かり方や準備方法が異なります。
一回分ずつ分けて持参する施設もありますので、まずは利用する施設のルールを確認してください。
そのうえで、保育士側として助かったのは、薬を見た時に情報が分かりやすいことでした。
子どもの薬は、粉薬が何種類かあると見た目が似ていることがあります。
例えば、白い粉薬が2種類あり、
「こちらは食前」
「こちらは食後」
と飲むタイミングが違うこともありました。
受け入れ時に確認はしますが、薬の袋に名前や飲むタイミングなどが分かりやすく書かれていると、準備する側としては安心でした。
また、普段使っているスポイトなどがある場合は、一緒に持参してもらえると助かることもありました。
粉薬が苦手なお子さんの場合は、普段から使っている服薬補助ゼリーなどがあれば、一緒に準備しておくと安心です。
(使用できるかどうかは施設のルールをご確認ください)
「これなら食べるかもしれない」が分かると助かります
体調が悪い時は、普段なら食べられるものでも難しくなることがあります。
病児保育では、食事を持参する場合もありますが、その子が少しでも食べられそうなものが分かると、とても参考になります。
実際に、
・バナナを一口サイズに切ったもの
・スティックパン
・麺類とめんつゆ
・ジュレ
・飲むゼリー
などを持ってきてくださる方もいました。
病気の時は、
「栄養のあるものをしっかり食べなければ」
と思うかもしれません。
でも、体調が悪い時は、まずは少しでも口にできるものがあることが大切な場合もあります。
もちろん、食事の持ち込みについては施設によって決まりがありますので、確認してください。
飲み物は「いつも飲んでいるもの」が意外と大事です
病児保育の現場にいて感じたことの一つが、飲み物の「いつも通り」の大切さです。
私が勤務していた施設では、ほうじ茶を用意していました。
でも、普段は麦茶を飲んでいる子が麦茶を持参してくれることもありました。
大人からすると、
「お茶なら同じでは?」
と思うかもしれません。
でも、子どもは体調が悪い時ほど、普段との違いを敏感に感じることがあります。
普段飲んでいる飲み物を、いつものマグや水筒に入れて持ってきてもらえると助かることがありました。
いつものストローマグも安心材料になります
普段からストローマグを使っているお子さんなら、病児保育にもいつものものを持ってきてもらえると安心です。
体調が悪い時は、普段使っているものの方が落ち着いて飲める子もいます。
「何を飲むか」だけではなく、「どうやって飲むか」も普段通りだと、その子にとって安心につながります。
また、毎日使うものだからこそ、洗いやすさや漏れにくさなど、保護者の方が使いやすいものを選んでおくと、普段から活躍します。
保育園の連絡帳には、その子を知るヒントがたくさんあります
紙の連絡帳を使っている場合は、病児保育に持参してもらえると、とても参考になります。
もちろん、受け入れ時の聞き取りでも普段の様子は確認します。
でも、連絡帳には、その子の最近の様子を知るヒントがたくさんあります。
例えば、
「最近歩き始めました」
と書いてあれば、
「まだ転ぶことがあるかもしれないから、少し気をつけて見よう」
と考えることができます。
「園で○○の手遊びをしています」
という情報があれば、泣いている時にその遊びを試すきっかけにもなります。
保育園での様子や最近できるようになったことなど、家庭では当たり前に感じるような情報も、初めてその子を預かる保育士にとっては大切な手掛かりになります。
睡眠は「家庭での寝方」より「園での様子」が参考になることもあります
お昼寝についても、受け入れ時に確認します。
その中で特に参考になったのは、家庭での寝かしつけ方法だけではなく、保育園でどのように寝ているかという情報でした。
病児保育では、保育園と同じような生活リズムで過ごすことが多いためです。
・午前睡があるのか
・いつ頃眠くなるのか
・普段どのように寝ているのか
そうした情報があると、その子の様子を見る目安になります。
例えば、普段よりかなり早い時間から眠そうにしていたら、
「今日はそれだけ体がしんどいのかもしれない」
と考えることもできます。
病児保育では、時間通りに寝かせることだけではなく、その子の普段との違いに気づくことも大切にしています。
お気に入りのものが安心につながることもあります
施設によって異なりますが、家庭からお気に入りのものを持参できる場合もあります。
ぬいぐるみやタオルなど、普段使っているものを持ってくる子もいました。
中には、お母さんのにおいがする服を持ってきている子もいました。
病児保育は、子どもにとっていつもと違う場所です。
体調が悪い中で知らない場所に来ることは、子どもにとって大きな負担になることもあります。
そんな時、いつものものが一つあるだけで安心できる子もいます。
ただし、持ち込みが可能かどうかは施設によって異なりますので、事前に確認してください。
まとめ|保育士が助かったのは「お子さんのいつも」が分かる準備
病児保育を利用する日は、お子さんの体調も心配ですし、準備も慌ただしくなると思います。
すべてを完璧にそろえる必要はありません。
「この子はこうすると安心します」
「これは食べられます」
「普段はこう過ごしています」
といった、お子さんの普段の様子が分かる情報があると、保育士はよりその子に合わせて関わることができます。
普段使っているもの。
普段食べているもの。
そして、普段の様子が分かる情報。
そうした小さな準備やひとことが、病児保育で過ごす一日を支える助けになります。
病児保育を利用する際は、施設のルールを確認しながら、持ち物と一緒に「お子さんのいつもの様子」も伝えてみてください。



