手足口病になると、
「いつから保育園に行っていいの?」
「熱は下がったけど、発疹が残っている…」
「まだ他の子にうつる可能性はあるの?」
と、登園のタイミングに迷う保護者の方も多いのではないでしょうか。
手足口病は、手や足、口の中などに発疹が出るため、見た目にも分かりやすく、「まだ感染力があるのでは?」と心配になりますよね。
この記事では、病児保育で14年間子どもたちを見てきた経験から、手足口病の登園を考える時に確認したいポイントをまとめます。
この記事でわかること
・手足口病で発疹が残っていても登園できる理由
・登園前に家庭で確認したいポイント
・病児保育で実際に見ていた子どもの様子
「もう登園して大丈夫かな?」と迷った時に、この記事が判断のヒントになればうれしいです。
手足口病はいつから保育園に登園できる?
手足口病には、インフルエンザのように全国共通の登園停止期間はありません。
また、登園許可証(登園届)が必要かどうかも、保育園や自治体によって異なります。
多くの保育園では、
- 熱が下がっている
- 普段どおり食事や水分がとれる
- 元気に過ごせる
などを目安に、医師の診断をもとに登園を判断しています。
ただし、園によって基準が異なる場合もあるため、登園前には園へ確認しておくと安心です。
発疹が残っていても登園できることがあります
「発疹があるのに保育園へ行っていいの?」
と疑問に思う方も多いと思います。
水ぼうそうの場合は、すべての発疹がかさぶたになることが登園の目安になります。
そのため、手足口病でも、
「発疹が残っている=まだうつるのでは?」
と感じますよね。
しかし、手足口病は水ぼうそうとは少し考え方が異なります。
手足口病は、発疹から感染する病気というより、
- せきやくしゃみなどの飛沫
- 唾液や鼻水などの分泌物
- 便
などを通して感染が広がる病気です。
また、症状が出始める頃は、感染が広がりやすい時期とされています。
一方で、発疹が残っている時期には、すでに症状のピークを過ぎ、回復に向かっていることもあります。
そのため、手足口病では「発疹が残っている=登園できない」という考え方ではなく、熱が下がっていることや、食事・水分がとれていることなど、お子さん全体の回復の様子を見て登園を判断します。
ただし、発疹が残っている時期でも、「もう感染の心配がない」という意味ではありません。
家庭では、
- おむつ交換後の手洗い
- タオルの共用を避ける
など、基本的な感染対策を続けると安心です。
新しい発疹が増えている時は様子を見ることも
発疹が残っている状態でも、医師から登園可能と判断されることはあります。
一方で、新しい発疹が増えている時期は、まだ症状の経過を見たほうがよいと判断されることもありました。
私が勤めていた病児保育施設では、日中に院長が子どもたちを回診していました。
新しい発疹が増えているかどうかは、症状の経過を見るうえで、院長が確認していたポイントの一つでした。
そのため、保育士も保育中に新しい発疹が増えていないか、発疹の赤みが変わっていないかを確認し、回診で院長へ伝えていました。
回診では、そのほかにも食事や水分の摂取状況、機嫌、痛がる様子など、保育中の変化もあわせて伝え、それらも踏まえて診察が行われていました。
診察結果は保育士から保護者の方へお伝えし、
「明日は登園できそうですよ。」
「もう1日様子を見たほうがよいとのことでした。」
など、ご家庭での過ごし方についてもお話ししていました。
登園できるかだけでなく「園で過ごせるか」も大切
病児保育では、「登園できるか」だけでなく、「園で無理なく過ごせそうか」という視点も大切にしていました。
例えば、
「給食は食べられそうですか?」
「まだプールはお休みした方が安心かもしれませんね。」
「まだおもちゃを口に入れることが多いので、もう少し様子を見てもよいかもしれませんね。」
など、診察結果も踏まえながら、保護者の方と一緒に登園後の生活をイメージしてお話しすることもありました。
手足口病は、お子さんによって症状の出方がさまざまです。
熱が下がったから、登園できると言われたから、それで終わりではありません。
「給食は食べられそうかな?」
「お昼寝はできそうかな?」
「口の痛みで機嫌が悪くならないかな?」
そんなふうに、お子さんが園で一日を無理なく過ごせそうかという視点で考えてみると、登園のタイミングを決めやすくなることもあります。
手足口病は症状の出方が毎年少し違うと感じることも
これは少し余談なのですが…。
手足口病は、同じ病名でも症状の出方がお子さんによってさまざまです。
ただ、病児保育の現場では、
「今年は口の中の症状が強い子が多いね。」
「おしりの発疹が目立つ子が多いね。」
「肘や膝に発疹が集中している子が多いね。」
と、その年によって症状の傾向を感じることがありました。
もちろん、症状には個人差があります。
ただ、同じ時期に似たような症状のお子さんが続くこともあり、長く子どもたちを見てきて感じた、現場ならではの気づきでした。
手足口病で食べられない時の工夫
手足口病では、口の中の痛みから、食事や水分が進みにくくなるお子さんもいます。
登園を考える時にも、「食事や水分が普段どおり取れているか」は大切なポイントの一つです。
ただ、食べやすいものや飲みやすい方法は、お子さんによってさまざまです。
病児保育でも、
「ゼリーなら食べられた」
「ストローなら飲めた」
「味の薄いおかゆなら食べられた」
など、お子さんによって食べやすいものは違いました。
病児保育で実際によく試していた食事の工夫については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
▶ 手足口病で食べない…病児保育で見てきた食べやすい工夫(近日公開予定)
こんな時は登園を急がず、医療機関へ相談しましょう
手足口病は、多くの場合は自然に回復していく病気です。
しかし、
- 水分がほとんど取れない
- 元気がなく、ぐったりしている
- おしっこの回数が少ない
- 口の痛みが強く、食事や水分がほとんど取れない
- 症状が悪化しているように感じる
などの場合は、無理に登園させようとせず、早めに医療機関へ相談しましょう。
保護者の方が「いつもと違う」「様子がおかしい」と感じた時の直感も大切です。
心配なことがあれば、一人で判断せず、かかりつけの医療機関や通っている園にも相談してみてください。
まとめ
手足口病は、発疹が残っていても登園できることがあります。
一方で、新しい発疹が増えている時や、食事や水分が十分にとれない時などは、もう少し様子を見た方がよいと判断されることもあります。
登園のタイミングは、「発疹がある・ない」だけではなく、お子さん全体の回復の様子を見ながら、医師や園と相談して決めることが大切です。
病児保育で子どもたちを見てきた中でも、「登園できるか」だけではなく、「園で無理なく過ごせそうか」という視点は、とても大切だと感じていました。
この記事が、登園のタイミングで悩んでいる保護者の方の参考になればうれしいです。

