手足口病になると、食事がとれなくなってしまう子が少なくありません。
「昨日までは普通に食べていたのに…」
「ゼリーも嫌がる…」
「丸一日ほとんど食べていないけど大丈夫?」
そんな不安を感じながら、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
病児保育でも、「朝から何も食べられていません」と心配そうに入室される保護者の方をたくさん見てきました。
でも実際の子どもたちを見ていると、「食べたくない」のではなく、「食べたいのに、痛くて食べられない」という子がほとんどです。
この記事では、病児保育で実際に取り入れていた食べやすくする工夫をご紹介します。
すべてのお子さんに当てはまる方法ではありませんが、「こんな方法もあるんだ」と、ひとつの参考になればうれしいです。
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手足口病で食べられなくなる理由
手足口病では、口の中にできた発疹や口内炎がしみたり、食べ物が当たることで強い痛みを感じることがあります。
そのため、お腹は空いていても、「食べると痛い」と分かってしまうと、口を開けられなくなってしまう子も少なくありません。
病児保育でも、遊んでいる時は元気なのに、食事の時間になると手が止まってしまう子をよく見てきました。
「元気だから大丈夫そう」と思っていても、食事だけは思うように進まないこともあるため、食事や水分がどれくらいとれているかを見守ることが大切です。
病児保育で取り入れていた食べやすくする工夫
「食べる」と意識させないタイミングを探す
口の中が痛い子は、「食べたら痛い」ということを覚えてしまうと、スプーンを見ただけで口を閉じてしまうことがあります。
そんな時は、動画を見ていたり、おもちゃで遊んでいたりと、別のことに気持ちが向いているタイミングで、そっとスプーンやストローを口元へ。
すると、普段の癖で自然と口が開き、「あれ?飲めた」「一口食べられた」ということも少なくありませんでした。
大げさに褒めるよりも、「何事もなかったように」しれっと進めるほうが、そのままもう一口につながることもありました。
最初の一口が食べられると、そのまま進むことも
病児保育でよく感じたのは、「最初の一口」が一番難しいということでした。
「痛いかもしれない」と思って口を開けられなくても、一口食べて「あれ?思ったより大丈夫だった」と感じると、そのまま食べ進められる子も少なくありません。
実際には、お腹が空いている子も多いので、最初の一口がきっかけになって、「もう一口」「もう少し」と食べられることもありました。
焦らず、無理をせず、そのきっかけを待つことも大切にしていました。
コップ・ストロー・スプーン…道具を変えるだけで食べられることも
口の中のどこに発疹や口内炎ができているかによって、痛みを感じやすい場所は違います。
例えば、
- コップを口につけると口角が痛い
- ストローなら飲める
- 反対に、ストローで吸う刺激が痛くてコップのほうが飲みやすい
- スプーンなら少しずつ口に運べる
など、本当にさまざまでした。
「ストローがいい」「コップがいい」という正解はありません。
お子さんの様子を見ながら、いくつか試してみると、「これなら大丈夫」という方法が見つかることもありました。
飲むゼリーは、スプーンに出してみることも
飲むタイプのゼリーは、食べやすそうなイメージがありますよね。
でも、口の痛みがある時は、「吸う」という動作そのものがつらく、うまく飲めない子もいました。
そんな時は、飲むゼリーをスプーンに少しずつ出して口に運ぶと、食べられることもありました。
お子さんが口にしやすい方法に変えてみるのも、一つの工夫です。
📌体調不良の時に備えて、ゼリー飲料を常備しておくと安心です。
おかゆは少しゆるめにすると食べやすいことも
病児保育では、味付けをしていないおかゆに、お湯を少し足してゆるめることもありました。
とろみが強いと口の中に残って痛がる子でも、少しゆるくすると、すっと飲み込めることがあります。
お米の自然な甘みもあるので、「少し食べられた」という安心感につながることもありました。
お迎えの際に「今日はおかゆを少し食べられました」とお伝えすると、「それだけでも安心しました」と話される保護者の方も多くいらっしゃいました。
📌体調不良の時は買いに行くのも大変なので、普段から常備しておくと安心です。
温度を少し変えるだけで飲めることも
「冷たいものが食べやすい」と聞くこともありますが、病児保育では、冷たすぎるものよりも少し常温に近いほうが口にしやすい子もいました。
飲み物も、少しお湯を足して冷たさを和らげると飲めるようになることがあります。
もちろん、お子さんによって感じ方はさまざまです。
「冷たいほうがいい」「常温がいい」と決めつけず、お子さんの様子を見ながら試していました。
酸味や塩味がしみることも
口の中に発疹や口内炎がある時は、酸味や塩味のある食べ物・飲み物がしみる子もいます。
例えば、
- オレンジジュースなど酸味のある飲み物
- 味の濃いスープ
- 塩味の強い食べ物
などを嫌がることがありました。
もちろん平気な子もいますが、「急に嫌がるようになった」という時は、刺激の少ないものを試してみると食べやすいこともあります。
「これなら食べられる」が見つかったら、繰り返して大丈夫
「ゼリーしか食べない…」
「そうめんばかり…」
そんな日が続くと、「栄養が偏らないかな」と心配になりますよね。
でも、病児保育では「これなら痛くなかった」と子ども自身が感じたものを、繰り返し食べることは珍しくありませんでした。
一度安心して食べられたものは、「これなら大丈夫」という自信にもつながります。
回復してくると、少しずつ食べられるものが増えていく子がほとんどでした。
食べられなくても、まずは水分がとれているかを見ていました
子どもがほとんど食べられないと、「このままで大丈夫?」と、とても不安になりますよね。
私自身も、わが子が体調を崩して食事がとれなくなった時は、とても心配でした。
その時に医師から、
「水分がしっかりとれているなら、慌てなくても大丈夫なことが多いですよ。」
と言っていただき、気持ちが少し楽になったことがあります。
病児保育でも、口の痛みが強い時期は、食事が進まない子をたくさん見てきました。
だからこそ、まずは「食べられた量」よりも、「水分がとれているか」を大切に見ていました。
もちろん、水分もほとんど飲めない、ぐったりしている、おしっこが少ないなどの場合は、早めに医療機関へ相談してください。
一方で、口の痛みが落ち着いてくると、少しずつ食べられるようになる子もたくさんいました。
「今日はあまり食べられなかった…」という日があっても、おうちの方が必要以上に自分を責める必要はありません。
水分補給で気を付けていたこと
病児保育では、一日にどれくらい水分がとれたかが分かるよう、メモリ付きのコップなどで飲んだ量を記録することもありました。
ご家庭で細かく測る必要はありませんが、
「朝からコップ半分くらいしか飲めていない」
「今日は100mLくらいしか飲めていない」
など、おおよその量が分かると、受診した時にも伝えやすくなります。
経口補水液は脱水時に役立つ飲み物ですが、独特の風味があるため、口の中が痛い時には嫌がる子もいました。
無理に飲ませようとするのではなく、水や麦茶など、お子さんが飲めるものを少しずつ飲めれば十分なこともあります。
脱水が心配な場合は、自己判断せず医療機関へ相談してください。
こんな時は早めに受診しましょう
次のような様子がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 水分がほとんどとれない
- おしっこの回数が少ない
- ぐったりしている
- 呼びかけへの反応が悪い
- 脱水が心配
まとめ
病児保育でも、「これなら必ず食べられる」という方法はありませんでした。
ストローを試したり、スプーンに変えたり、少し時間を空けてみたり…。
子どもの様子を見ながら、「今日はこれなら食べられそうかな」と、その子に合う方法を毎日試していました。
今回ご紹介した工夫も、すべてのお子さんに当てはまるわけではありません。
でも、「こんな方法もあるんだ」と、ひとつの参考になればうれしいです。
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