「子どもが熱を出したけれど、仕事がどうしても休めない…」 そんなときの強い味方が病児保育です。
でも、「インフルエンザみたいに、はっきり診断名がついていないと預けられないのかな?」と不安に思う方も多いはず。
実は、病児保育で一番多いのは、特別な病気ではなく日常的に起こる「あの症状」なんです。
今回は、14年の現場経験(多い時は年間のべ1,200人のお子さんをお預かりしていました!)をもとに、実際に利用が多かった病気をランキング形式で紹介します。
第1位:急性上気道炎(いわゆる風邪)
圧倒的に多いのが、いわゆる風邪症状です。
- 発熱
- 咳、鼻水
- のどの痛み
特定の病名がつかなくても、「検査では陰性だったけれど、熱があって保育園に預けられない」というケースが最も多いです。
また、熱はなくても「咳や鼻詰まりで夜あまり眠れなかった。」というお子さんの利用も多かったですよ。
こびとオレンジ「風邪くらいで預けてもいいのかな…」と申し訳なさそうに来る親御さんもいましたが、現場としては「普段の元気な姿に戻るまで、ゆったり看病する場所」だと思っています。
熱が下がった直後など、「集団保育に戻すのはまだ不安かな…」というときなどにも、うまく病児保育を活用して欲しいと思います。
第2位:感染性胃腸炎
特に冬場に急増するのが胃腸炎です。
- 嘔吐
- 下痢
- 脱水への注意
胃腸炎の場合、元気があっても登園基準(嘔吐や下痢の回数など)を満たさない限り、基本的には登園を控えなければなりません。
「熱はすぐに下がったけれど、下痢が長引いてしまって……」と利用される方も非常に多かったです。



お家での「おむつ処理」や「お着替え」に限界を感じて駆け込まれる方も多いです。
二次感染を防ぐために、実際の現場で私たち保育士が徹底しているおむつ処理のポイントをこちらの記事で詳しく解説しています!
家庭でもすぐに取り入れられる内容なので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
第3位:インフルエンザ
流行期になると一気に利用が増えます。
- 高熱でぐったりしている
- 咳、鼻水などのカゼ症状がある
- 熱は下がったけれど、出席停止期間中で登園できない
インフルエンザは出席停止期間が長いため、お仕事を持つ親御さんにとってはスケジュール調整が非常に難しい病気です。



同じインフルエンザという診断でも、高熱で横になっている子と、熱が下がって元気な「回復期」の子がいます。
現場では、お子さんの状態に合わせてなるべく過ごす空間を分けるなどの工夫をしていました。
第4位:アデノウイルス感染症(プール熱など)
- 長引く高熱
- のどの激しい痛み
- 目の充血や目やに
アデノウイルスは感染力が非常に強く、熱が下がった後もしばらくウイルスが体外に排出されることがあります。
そのため、熱がなくても「目がまだ赤い」「目やにが多い」といった登園基準を満たさない時期の利用も非常に多かったです。



感染力がとても強いので、利用がある時は私たちスタッフも、いつも以上に気をつけて対応していました。
お家でも、ご家族にうつらないようタオルの共有などは控えるように気をつけてくださいね。
数日間にわたって高熱が続くこともあるので、親御さんも看病で疲れ果ててしまう前に、ぜひ病児保育という選択肢を思い出してほしいと思います。
第5位:溶連菌感染症
比較的元気なことも多いですが、抗生剤を飲んでから24時間は出席停止になるため、利用につながりやすい病気です。
- のどの激しい痛み
- 食事や水分がとりにくい
のどの痛みが強いことが多いため、食欲が落ちてしまうお子さんも目立ちました。



現場の体感ですが、利用中にあとから発疹(ほっしん)が出てくるお子さんは意外と多かったです。
朝はのどの赤みだけだったのに、お昼頃に「あれ?体にブツブツが出てきたね」ということもよくありました。
溶連菌はあとから体に症状が出ることもある病気なので、もし預けている間に変化があっても、現場のスタッフがしっかり見てくれているので安心してくださいね。
最近、利用が減ったと感じる病気
以前はよく見かけましたが、最近は利用が少ない(または相談が減った)と感じるものもあります。
- 水ぼうそう
- おたふく風邪
- ロタウイルス感染症
背景には、水ぼうそうやロタウイルスワクチンの定期接種化なども影響していると考えられます。また、コロナ禍以降のリモートワークの普及や、社会全体で以前よりお仕事を休みやすくなった風潮も、利用状況の変化につながっているのかもしれません。



私が働き始めたころは、ロタウイルスや水ぼうそうの子は本当によく利用していました。
ロタでは白っぽい便のおむつ替えを何度もしたり、水ぼうそうの回復期でかさぶただらけの子を保育したり……ということも珍しくありませんでした。
最近はそういったケースはかなり減った印象があり、病児保育に求められる役割も少しずつ変わってきているなと感じています。
【重要】利用できる病気は他にもたくさんあります
今回紹介したランキングは、私が病児保育の現場で働く中で特に利用が多いと感じた病気をまとめたものです。
病児保育では、ほかにも手足口病、ヘルパンギーナ、中耳炎、骨折などの怪我など、幅広いケースで利用が可能です。
ただし、受け入れ可能な病気や条件(隔離室の空き状況など)は施設によって異なります。
「うちの子の今の状態で預けられるかな?」と迷ったときは、まずは最寄りの施設へ確認してみてくださいね。
また、同じ病気でも症状の程度やその日の利用状況によって、受け入れが難しい場合もあります。
事前登録をしておくと、いざというときスムーズに相談できるので安心ですよ。
まとめ:病児保育は「お守り」のような場所
病児保育は、決して「特定の診断がついたとき」だけの場所ではありません。
14年の現場経験から感じているのは、「保育園には行けないけれど、お仕事も外せない」……そんな親御さんのピンチを支える、心強い味方だということです。
実際の現場でも、「いざというときに頼れる場所がある」と思えるだけで、少し安心できるという声をよく聞きました。
病児保育は、頑張る親御さんにとっての“お守りのような存在”。
ひとりで抱え込まず、いざという時の選択肢のひとつとして、心に留めておいてもらえたら嬉しいです。
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