「きょうだいで病児保育を利用すると、同じ部屋になるの?」
「きょうだいの病気が違う場合、同じ部屋で大丈夫?」
「前回は同じ部屋だったのに、今回は別と言われたのはどうして?」
きょうだいで病児保育を利用するとき、このような疑問を持つ保護者の方もいるのではないでしょうか。
私は14年間、病児保育で保育士として勤務し、主任も経験しました。
この記事では、私が勤務していた施設での対応をもとに、きょうだい利用の場合の部屋割りをどのような考え方で決めていたのか、実際のケースを交えながらお話しします。
※病児保育の対応方法は施設によって異なります。この記事は、私が勤務していた施設での対応をご紹介しています。
病児保育ではきょうだいを同じ部屋で預かることが多くありました
私が勤務していた施設では、きょうだいで利用される場合、同じ部屋でお預かりすることが多くありました。
きょうだいは普段から同じ生活空間で過ごしていることも多いため、その点も考慮して対応していました。
例えば、
・お兄ちゃんはインフルエンザ
・弟さんは鼻水があるものの、まだ診断はついていない
というような場合でも、保護者の方へ状況をご説明し、ご理解いただいたうえで、きょうだいで同じ部屋で過ごしていただくことがありました。
また、下のお子さんが初めて病児保育を利用する場合、
「上の子と一緒の方が安心すると思うのですが」
とご相談いただくこともありました。
もちろん別室を希望される方もいました
一方で、「できれば別室でお願いしたい」というご希望をいただくこともありました。
ご家庭で感染対策をされていて、
「家でもできるだけ接触を減らしています」
という保護者の方もいらっしゃいます。
きょうだいだから必ず同じ部屋、というわけではなく、ご希望がある場合は遠慮なく相談していただいて大丈夫です。
施設では、その日の利用人数や病気の種類、部屋の空き状況などを見ながら部屋割りを考えていました。
ただし、希望があっても必ず対応できるとは限りません。
「別室であればお預かりできます」
「同室であればお預かりできます」
というように、その日の状況によって対応できる範囲をお伝えすることもありました。
また、ご希望の形での対応が難しい場合は、きょうだいどちらか一人のみのお預かりになることもありました。
「前回は同じ部屋だったのに、今回は別だった」のはなぜ?
病児保育では、毎回同じ部屋割りになるとは限りません。
お子さんの診断名や症状、その日に利用している他のお子さんの状況を見ながら判断しています。
例えば、お兄ちゃんが溶連菌感染症で利用する日、その部屋に同じ溶連菌感染症のお子さんがいる場合。
弟さんは鼻水だけで、まだ診断がついていない状態だったとします。
ご家庭では、
「きっとお兄ちゃんと同じ病気だろう」
と思われるかもしれません。
しかし、病児保育では、
「もし別の感染症だったら?」
という可能性も考えます。
もし弟さんが溶連菌ではなく、別の感染症だった場合、その部屋で一緒に過ごしている他のお子さんへ感染が広がってしまう可能性があります。
そのため、「きっと同じ病気だろう」と判断するのではなく、その日の利用状況や他のお子さんへの感染リスクも考えながら部屋割りを決めていました。
実際に私が勤務していた施設では、このような場合、きょうだいだけで1部屋用意する対応が多くありました。
きょうだいで一緒に過ごすことで安心できる場合もありますし、他のお子さんとの接触を減らすことにもつながります。
ただし、利用人数や病気の種類によっては同じ対応ができないこともあります。
そのため、
「前回は同じ部屋だったのに、今回は別だった」
ということもあります。
病児保育の部屋割りは、その日の状況を見ながら判断しています。
実際によくあったきょうだい利用のケース
ケース① 上の子はインフルエンザ。下の子は発熱したばかりで、まだ検査前の場合
きょうだい利用では、このようなご相談もよくありました。
保護者の方からすると、
「上の子からうつったと思います。」
「きっと同じインフルエンザですよね。」
と思われることもあると思います。
実際に、その可能性は高いかもしれません。
しかし、発熱して間もない時期は、まだ原因がはっきり分からないこともあります。
もし下のお子さんがインフルエンザではなく、別の感染症だった場合、他のお子さんへの感染につながる可能性もあるためです。
そのため病児保育では、「きっと同じ病気」と決めつけるのではなく、症状や経過、その日の利用状況なども考えながら部屋割りを決めていました。
「上の子と同じ病気だと思うので一緒の部屋でお願いします。」
というご希望をいただくこともありましたが、状況によっては別のお部屋をご案内したり、きょうだいだけで過ごせるお部屋を用意したりするなど、その日の状況に合わせて対応していました。
ケース② 上の子は感染症の診断あり。下の子も症状があり、検査では陰性だった場合
例えば、上のお子さんが感染症と診断され、下のお子さんも発熱したため受診したものの、検査では陰性だった場合です。
保護者の方としては、
「陰性だったなら、他の風邪症状のお子さんと同じ部屋になるのかな?」
と思われるかもしれません。
ただ、病児保育では検査結果だけで部屋を決めているわけではありません。
下のお子さんが本当に風邪なのか、それとも検査のタイミングによっては、あとから陽性になる可能性があるのか。
また、お兄ちゃんと同じ感染症なのか、それとも別の感染症なのか。
そうした可能性も考えながら、その日の症状や経過、他のお子さんの利用状況も含めて部屋割りを考えていました。
私が勤務していた施設でも、「陰性だから他の風邪症状のお子さんと同じ部屋」と決めるのではなく、お子さん一人ひとりの状況を見ながら判断していました。
症状のないきょうだいも「一緒に預かってほしい」というご相談がありました
「上の子を保育園へ送り、下の子を病児保育へ預けてから出勤すると、仕事に遅刻してしまうので、一緒に預かってもらえませんか?」
このようなご相談を受けることもありました。
お気持ちはとてもよく分かります。
しかし、病児保育は病気や回復期のお子さんをお預かりする施設です。
そのため、症状のないきょうだいはお預かりをお断りしていました。
まとめ|きょうだいの部屋割りは、その日の状況で決まります
病児保育の部屋割りは、「きょうだいだから同じ部屋」「きょうだいだから別室」と決まっているわけではありません。
私が勤務していた施設では、次のような考え方で対応していました。
・きょうだいは同じ部屋で過ごすケースが多かった(普段から一緒に生活していることも考慮していました)
・「感染が心配なので別室で」という希望も相談できた
・発熱直後や検査陰性の場合は、その後の経過も考えながら慎重に部屋割りを決めていた
・部屋に空きがあれば、きょうだいだけで過ごせるお部屋を用意することもあった
という対応をしていました。
病児保育では、利用しているすべてのお子さんが安心して過ごせるよう、その日の状況を見ながら部屋割りを決めています。
「うちの場合はどうなるんだろう?」「離れると泣いてしまわないか心配…」という不安があれば、予約時や利用前に遠慮なくスタッフへ相談してみてくださいね。

