「子どもが急な発熱、でも仕事は休めない…。」
そんな時、心強い味方になるのが『病児保育』ですが、実際どんな場所かご存知ですか?
こびとオレンジこんにちは!
14年間、病児保育の現場で多くのお子さんとご家族を支えてきた元主任保育士です。
「病気の子を預けるのが不安」「手続きが難しそう」
…そんなママ・パパの悩みに寄り添い続けてきた私が
現場のリアルな知識をわかりやすく解説します。
1. 病児保育は「病気の子どものための専門保育園」
朝起きてきた我が子の顔を見て「あれ?いつもと様子が違う…」
急な体調不良で、子どもの心配をする一方で
職場への影響も考えなければいけない。
誰もが一度は経験する苦しい瞬間ですよね。
病児保育とは、このようにお子さんが発熱や病気で「いつもの保育園」に登園できないとき、保護者に代わって一時的に保育を行う専門の施設のことです。
大きな特徴は、保育士や看護師といった専門スタッフが専用の保育室で預かるという点です。
ただお子さんをお預かりするだけでなく、その日の体調に合わせた安静な過ごし方をサポートし、急な体調の変化にも速やかに対応できる環境が整っています。
働くママ・パパの強い味方です。
2. 利用できるのはどんな時?対象となる主なケース
病児保育で預けられる病気は、実はみなさんが思っているよりもずっと幅広いです。
- 一般的な風邪症状: 発熱、上気道炎(カゼ)、咳など
- 感染症: インフルエンザ、アデノウイルス、溶連菌感染症、胃腸炎など
- 登園停止期間の病気: 水ぼうそう、おたふくカゼなど
※預かれる疾患については施設により異なります。利用前に必ず公式ホームページ等で確認するか、直接施設に問い合わせてくださいね。
⚠️お預かりが難しいケースもあります
私が勤務していた施設では、感染力が非常に強い「麻疹(はしか)」や「風疹」、また、医師の診察で「入院が必要」と判断されるような重症の場合は、お子さんの安全を第一に考え、お預かりをお断りしていました。
「うちの子の症状で預けられる?」と迷ったときは、まず受診して医師に相談してみてください。
3. 利用までの「3つのステップ」をチェック
①事前登録
私の働いていた施設では、当日いきなりの利用も可能でしたが、多くの施設は事前登録が必要です。
名前・生年月日・通っている保育園・連絡先のほか、発達の段階や予防接種の履歴なども確認される場合があります。
スムーズに記入できるよう、母子手帳があると安心です。
また、お子様との面談が必須の施設もあるので、事前に各施設のホームページ等をご確認ください。
⚠️おすすめは【複数の施設を調べておくこと】
病児保育自体まだまだ数が少なく、特にインフルエンザなどの流行期は予約が取りづらいことがあります。
お近くに複数施設がある場合は、第2・第3の手として、登録だけでも行っておくと不安が少し軽くなりますよ。
②受診(利用連絡票の記入)
「病児保育を使いたい」と思ったら、まずはかかりつけ医などを受診しましょう。そこで医師に「利用連絡票(医師の指示書)」を記入してもらう必要があります。 (施設によっては書類が不要な場合もありますが、「利用前の受診」はほとんどの施設で必須です。)
⚠️ここがチェックポイント!
受診に関しては「前日の受診」でも大丈夫な場合や、「必ず当日の朝に受診が必要」な場合など、施設によって決まりが異なります。 「せっかく受診したのに、ルールが違って預けられなかった…」「二度手間になった…」という事態を防ぐために、事前に確認しておきましょう。
③予約
施設に予約を入れます。
最近ではネット予約ができる施設も増えていますが、電話予約のみの場所もあります。
スムーズに利用するコツは、「予約開始時間」を事前にチェックしておくこと。
私が働いていた施設では「前日の朝9時」に予約開始でしたが、すぐに枠が埋まってしまうことも珍しくありませんでした。
中には「予約開始に合わせてアラームをかけている」という保護者の方もいたほどです。
⚠️ここがチェックポイント!
もし予約がいっぱいでも、諦めずに「キャンセル待ち」を入れましょう!
当日の朝に「症状が良くなった」「仕事の調整がついた」とキャンセルが出ることは意外と多いです。
その際、「繰り上げの連絡が当日の何時頃に来るのか」を確認しておくと、その後の動きがスムーズになります。
また、当日の急な発熱や、保育園からの呼び出しによる「途中入室」に対応してくれる施設もあります。
まずは電話で相談してみてくださいね。
4. 現場のプロが伝えたい「利用するメリット」
「病気の子を預けてまで仕事に行くなんて…」と、罪悪感で胸がいっぱいになるママやパパも少なくありません。
でも、14年現場で子どもたちを見守ってきた私から見ると、病児保育には「単なる一時預かり」以上のメリットがあると感じています。
① 万が一の体調変化にも即座に対応できる「安全な環境」
病児保育には万が一の体調変化にも即座に対応できる「安全な環境」という強みがあります。
保育士や看護師といった専門スタッフが常にそばにいるので、小さな異変にもすぐに気づくことができます。
また、クリニックを併設していたり、医師との連携体制を整えていたりするため、急な病状の変化にも迅速な対応が可能です。
私は現場で、利用中の熱性痙攣や救急対応が必要な場面を何度も経験してきました。
その際、多くの保護者の方から「家で一人で見ていたら、もっと不安だったと思います」という言葉をいただきました。
お子さんにとって、大好きなおうちで過ごす安心感にはかないませんが、病気や症状に合わせて「何に注意して観察すべきか」を常に考えているプロがそばにいることは、何よりの安心につながるはずです。
② 集団生活では難しい「その子のリズム」を優先できる
一般的な保育園では、みんなと一緒に給食を食べたりお昼寝をしたりと、決まったスケジュールがあります。
しかし、病児保育では「その子だけの時間軸」で過ごすことができます。
「食欲がないから、今は寝かせてあげよう」「少し元気が出てきたから、座ってシール遊びをしよう」など、その日の体調や機嫌に合わせた柔軟な対応が可能です。
無理に集団のペースに合わせる必要がないため、体をしっかりと休めることができ、結果としてスムーズな回復にもつながります。
これは、少人数で手厚く見守る病児保育ならではの大きなメリットです。
また、病児保育は「回復期」も利用の対象となります。 実際、現場では「熱は下がっているんですが、もう1日だけいいですか?」と予約を取られる保護者の方も多いです。「高熱だった1、2日目は仕事を休んだけど、3日連続で休むのは厳しい…。でも、登園させるのはまだ少し心配」という時こそ、病児保育をうまく利用していただきたいなと思います。
③ ママ・パパの「心のゆとり」が、お子さんの笑顔につながる
保護者の方がお仕事に集中できるよう、病児保育のスタッフは全力でサポートしてくれます。
「預けてごめんね」と自分を責めるのではなく、「プロに任せて安心だったね。さあ、おうちに帰ろう!」と、前向きな気持ちでお迎えに来てほしい。
現場の保育士・看護師は、いつもそう願っています。
おうちの方が少しでも心にゆとりを持って、お迎えのあとにお子さんと笑顔で向き合えるようになること。
それも、病児保育という場所が持つ大切な役割のひとつだと、14年の経験を通して感じています。
5. まとめ:病児保育は、家族の笑顔を守る「お守り」です
病児保育の現場では、たくさんの「ごめんね」という言葉を耳にしてきました。
実は私自身も3人の子を育てる親として、同じように葛藤した経験があります。
プロの手を借りることは、決して後ろめたいことではありません。
お迎えのあとに笑顔でお子さんと向き合えるよう、上手に頼る勇気を持ってほしいなと思います。
病気になってから慌てて探すのではなく、元気なうちに「頼れる場所」を見つけておくことが、心にゆとりを生む秘訣です。
いざという時に慌てないために、まずはこの2つから始めてみてください。
- まずはお近くの施設を調べて、利用方法(予約ルールなど)を知っておくこと
- 「お守り」として、事前登録を済ませておくこと
これだけで、いざという時の不安はぐっと少なくなります。
まずは近くの施設をチェックすることから始めてみませんか?
頑張る保護者の皆さんと、お子さんたちが一日も早く元気になることを心から願っています。

